
4月クールの金曜ナイトドラマ枠「お天気お姉さん」の脚本家、大石静。
私、この人の書くエッセイがとっても好きで。
初著作(たぶん)の「私ってブスだったの!?」からほとんどすべて読んでます。
(そんなに冊数が多いわけではないですが)
もともとは「週刊文春」に連載していたのを読んでいて「この人面白いなあ……」と思っていたのがきっかけ。
さらっと書かれる波乱万丈な半生、そして物事の本質を、あっけらかんとズバッと突く。
オトコについての価値観が似ていたところも大いに私の共感を呼びました(笑)。
手元にある文庫の奥付を見たら、1996年5月10日第1刷、とあります。
発売されてすぐに買った記憶があるので、大石静の著作と出会って15年以上たつことになるんだなー。
文春の連載はもっと前だから、彼女のエッセイ自体との出会いはおそらく20年位前なのかな。
この人の書く脚本も好きです。
すべてを見ているわけではないですが、オンタイムで見て
「この題材をこんなに面白くきちんとエンターテインメントにするなんてすごいな!」
って思ったのが、SPドラマ「愛と青春の宝塚」(2002年)。
“戦争”を題材にして、過剰に湿っぽくせず、きちんと「面白いもの」に昇華できる彼女の凄さを見ました。
その少し(でもないか)前の「長男の嫁」も好きでしたねぇ。あれあっけらかんとリアルだったな(笑)。
連続テレビ小説や大河ドラマは見てないのですけども。
(基本NHKを見る習慣があまりなく……制作の裏側はエッセイで読みましたが)
「セカンド・バージン」で、「ああ大石静の本領発揮!」としみじみ思いました。
ちょっと濃すぎて(笑)ドラマは途中で断念しましたが、本人によるノベライズは読んでいます。面白い。
ちなみに「ハンドク!!!」(2001年)も彼女の脚本です。
脚本・大石静、演出・堤幸彦・金子文紀……今思うとなんて豪華なラインナップなんだ!
というわけで(?)、今回紹介するのはこの本です。
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日本のイキ (幻冬舎文庫) |
| 大石 静 | |
| 幻冬舎 |
「週刊ポスト」に連載していたエッセイをまとめたもので、発行は平成18年。
わりと最近ですね。(という時間感覚はもう若くない証拠か 笑)
ポストは基本読者が男性なので、さらに歯に衣着せぬ感じで、読んでいてものすごく爽快(笑)。
この作品の中の一エッセイの中に、こんな文章が出てきます。
テレビ局とテレビの創り手が、視聴率至上主義であるというのは、実は間違いなのである。
そのエッセイの小タイトルは「視聴率至上主義」。
最後を締めくくるにあたり書かれたのが上記の文章です。そして。
それでは、一体誰が視聴率を気にして騒ぐのか。
それは番組をネタにする活字メディアと、自分で判断することのできない自信のない野次馬である。
うわー、すっげーバッサリいった(笑)。
これまでたくさんの脚本を手がけてきた彼女。
当然のことながら視聴率のいいものも悪いものもあって……その中をくぐり抜けてきての実感なのでしょう。
私はいつも不思議に思うのだが、視聴率のよしあしにもっとも関係ない人達が、一番視聴率を気にし、視聴率分析などをやっているのは、なぜだろう?
視聴率の関係ない独自の批評というものが、なぜ活字メディアの中に見当たらないのだろうか?
まーこれは「面白いから」というのがいちばんの正解のような気がしますけども。
自分に関係のない分野で、自分は安全なところにいて、数字の上下にについてどうこう言ってそれに基づいて対象を批評する。
こういうのが好きな人って、そのツールが「視聴率」に限らず、たくさんいる気がします。
そしてその数字や批評に一喜一憂する人もたくさんいるのでしょう。(自分には直接関係なくっても、いや、ないがゆえに)
ちなみにこの傾向を後押ししたのは「日経エンタテインメント!」の発刊もあるような気がしてます。
創刊された当時、「これ、『面白がる』人と『振り回される人』にわかれるんじゃないかなあ……」と思ったのを今でも覚えてるなー。
(これはもちろんあくまで個人的に思うことです)
私が脚本家として、視聴率が出なかったことを申し訳ないと思うなら、
この企画に乗ってくれた出演者たちと、視聴率を信じてお金を出してくれたスポンサーに対してだろう。
ここをきちんと書いてるところはさすがプロ。
スポンサーと視聴率って密接に結びついているもんなあ。
彼女のエッセイは、おそらく私のブログを面白がって読んでくださってる人なら、けっこう好きなんじゃないかな~と思います。
そして当然ながら私の文章よりずっとずっと上手だし(だってプロ!)、書く内容も肝がすわってる。
(肝が据わってるゆえにいろいろと保守的な方は眉をひそめるかもしれませんが 笑)
万人にオススメできるかどうかはわからないけれど、私はこの人の考え方、この人のエッセイがかなり好きです。
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私は関ジャニ∞の、大倉さんのファンですが、それよりずっと前から大石静氏のファンです。
彼女の考え方を(著作ごしにですが)知っています。
だから、ひとつ前の「お天気お姉さん」第一話の感想記事で、
>視聴率がとれるかどうかはたいへん微妙なつくりだと思われますが(笑)、少なくとも私はこのテイスト大好きです。
と、さらっと書けたのです。
また、
>ストーリーの細かいところや登場人物に共感できるかどうかはどうでもいいっちゃあどうでもいい
これは「脚本はどうでもいい」とはイコールではありません。
というか、まったく別次元です。
どこにクローズアップして作品をしあげるか、そのさじ加減のことを言ってます。
その加減の秀逸さを表したのが下記の文章です。
>余計なリアリティは追及してない。無駄に人情に走ったり複雑な心理描写やらを入れたりもしてこない。
これが(メインで)できるのは脚本家です。脚本家の仕事です。
私は、大石静氏がスタッフ側からの提案に納得がいかない場合、きちんとスタッフと戦う人だと知ってる。
(これも著作ごしにですが)
だからあの脚本は大石静色が強いんだろうな、と思っています。
あのー、ダテに大人になるまでジャ○ーズに興味がなかったわけではないんです。
そして今も。嵐や関ジャニ∞が好きで、ジャ○ーズの世界に足を踏み入れた(浸かった?)今でも。
……私はジャ○以外への興味は消せない消えない。
両グループのメンバーが出ていても自分にとって「面白い」じゃないなら、私はその時間を「刑務所なう。」を読むのにあてたい。
(別にほかの本でも映画でも遊びでもなんでもいいですが……しかし面白いぜ「刑務所なう。」!堀江氏がおっさんに嫌われるのがわかる 笑)
そういう興味の方向が、そういう視点が、このブログの「核」みたいなものになってるとも思ってます。
しかしドラマレビューのアップ……ほんと考えた(やめる)ほうがいいのかなあ。
